IWCの大定番パイロット・ウォッチに「超弩級モデル」が存在するのを知ってた?
難解極まりない超複雑な機械式時計の仕組みを“優しく”解説する『超弩級 複雑腕時計図鑑』がMEN’S EX特別編集によって発売に。ここでは、その中身をピックアップしてご紹介する。
IWCの象徴的な複雑機構をすべて自社製で実現!
2つ前のモデルで述べたように、画期的なクラウス式永久カレンダー・モジュールは、クロノグラフに組み込まれることで、機械式時計の魅力を広く伝えた。
iwcスーパーコピーそれを搭載したダ・ヴィンチの名を継ぐコレクションは、2007年に初の自社製クロノグラフCal.89000系を初搭載。そしてフルリニューアルした2017年には、そのクロノグラフに、ついにクラウス式永久カレンダーが組み合わされた。その2年後に登場したこのモデルも、同様にムーブメントCal.89630を搭載。IWCの1つの象徴であるパイロット・ウォッチに、初めてパーペチュアル・カレンダー・クロノグラフがラインナップされた。
クルト・クラウス氏は、最初の永久カレンダー・モジュールを汎用のクロノグラフ・ムーブメントに組み込むにあたり、もともと備わるデイトリングを活用した。すべての暦表示を、デイトリングから枝分かれさせて動かしたのだ。この巧妙な設計によって、複雑な永久カレンダー機構は、わずか80個ほどのパーツで実現された。時計に限らず、すべての機械は、構成部品が少ないほど壊れにくい。彼の師であるアルバート・ペラトン氏から学んだ耐久性を重視した設計思想は、現在のIWCに受け継がれている。Cal.89000系も、クロノグラフ機構を3時方向にコンパクトにまとめ、巨大な一枚ブリッジで覆った堅牢な構造をもつといった具合に。
時分同軸積算計のCal.89000系は、上下の2カウンター。ダイヤルにスペースが大きく残り、インダイヤルが見やすく配置しやすい。つまり多針となる永久カレンダーと組み合わせるにも向く。追加された左右のインダイヤルには、確認する頻度が多い日付と曜日とをそれぞれ独立して装備。そして元来備わる上下のインダイヤルのうち、12時位置側の同軸積算計内にムーンフェイズを収めた。7-8時位置には、4桁の西暦表示も備わる。1985年に生まれた傑作の機構が、すべて自社製となって高性能に生まれ変わった。
Point 1
わずか80個ほどのパーツで実現された
最初のクラウス式永久カレンダーは、ベースムーブメントに備わるデイトリングで駆動することで部品点数を劇的に減らした。と同時に、デイトリングがもともともつ早送り機構で全暦表示を一斉送りできる優れた操作性も実現。極めて巧妙な設計は、まさに傑作。
Point 2
日付と曜日とをそれぞれ独立して装備
3時位置の日付と9時位置の曜日の各インダイヤルは、ほかの表示を兼ねさせることなく、見やすくした。実は、1985年誕生のダ・ヴィンチも、3時位置インダイヤルは日付表示単独だった。見る機会が多い、暦表示の視認性を優先するのも、クラウス式の伝統である。
Point 3
同軸積算計内にムーンフェイズ
時分同軸積算計内に、さり気なくムーンフェイズを搭載。12時位置にムーンフェイズを置くのは、1985年のダ・ヴィンチと同じだ。コンパクトな永久カレンダー・モジュールは、より大きく歯数が多いムーンフェイズ用中間車が使え、577.5日で1日の超高精度を得た。
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